「今月のプロブレム」2024/06解答

☆「今月のプロブレム」、6月の出題分、解答者は5名でした。
☆本欄ではキング=K、クイーン=R、ルーク=R、ビショップ=B、ナイト=S、ポーン=Pという表記を用いています。プロブレムでは、ナイトライダーというフェアリー駒にNの文字を当てるのが普通で、そのためナイトはSと表記する慣習になっています。

Gianni Donati
Probleemblad 2000
white Ke1 Qd1 Ra1h1 Bc1f1 Sb1g1 Pa2b2c2d2e2f2g2h2 black Ke8 Qd8 Ra8h8 Bc8f8 Sb8g8 Pa7b7c7d7e7f7g7h7
Proof Game 5.5
1.Sb1-c3 d7-d5 2.Sc3*d5 f7-f6 3.Sd5*f6 + Ke8-f7 4.Sf6-e4 Qd8*d2 + 5.Se4*d2 Kf7-e8 6.Sd2-b1
正解
☆まず取られている駒を確認しましょう。白はPd2の1枚、黒はQd8とPd7, Pf7の3枚が取られています。
☆Pd2はその場所で黒のQで取られたと考えるのがいちばん効率的です。だとすると、白の初手はどちらかのSを動かす手になります。
☆黒のd筋およびf筋のPを白のSで取るには、Sc3xPd5xPf6(+)がいちばんそれらしい順です。このSを戻ってくるときには、Sf6-Se4xQd2というコースが唯一に定まります。
☆これで全体の骨格がわかりました。あとは実際に盤で駒を動かして、その手順が一意に決まることをご確認ください。
☆白Sb1がb1-c3-d5-f6-e4-d2-b1というコースで帰ってきます。こういう経路を一周して元の位置に帰るというテーマを、Rundlauf(ルントラウフ)と呼びます。憶えておいてください。

Pawn Star:動いてなさそうなナイトが実はかなり重要な役割を果たしていることになかなか気づけず、難しかった。ダイナミックにナイトが大活躍する作品。
中嶋正和:白のポーンやクイーンを動かすと手数オーバーになるのにナイトだと足りるのが不思議。
及川弘典:見事なwS繰り。
小林看空:Donatiさんは、Sが活躍する作品が多い(有名なのは、Sの入れ替わり)のですが、まさか All (K)night だったとは……楽しい作品です〇
井上聡美:使う駒がわかるまでが難しかったです。でも、どの駒が動くのかわからなかったのがおもしろかったです。
【成績】(到着順)……全員正解でした!
5点……Pawn Star、中嶋正和、小林看空、及川弘典、井上聡美